ねぇ、泣かないでよ。
そんなにも颯汰くんにこだわるのは、昔の彼女さんのことがあるからだろうか。




「俺の元カノ奪ったの、あいつ。」



えっ。と驚いたのは私でもなく、愛美だった。



「そんで、今も、一緒にいる仲だし。」


「勝手なこと言ってんじゃねぇよ。」




和くんの言葉に冷たく返したのは、颯汰くんだった。




「うっわ。何してんの?月島さん」

「美咲とは何もねぇよ。」

「そ?だから何」

「その事で陽に手出してんなら、やめろ」

「俺が?別に、美咲とかどうでもいい」

「お前っ」

「あ?うるせーよ。何熱くなってんの?その様子じゃあ、美咲の事好きみたいだよ?」




和くんの挑発的な言葉に颯汰くんは怒りを表にだしていた。

颯汰くんがそんなにも怒るなんて。颯汰くんにとって美咲という人はとても大きな存在なのか。




「美咲は、、、ただの友達」

「月島、あいつ泣かせたのはお前だよ」



彼らの過去なんて知らない。

私が颯汰くんといなかった間の事なんて。




「俺は、泣かせてなんか」

「俺はちゃんと見たよ。あの日、お前と美咲がキスしてんの」




和くんの言葉に颯汰くんは動揺はしてないけど、後悔しているようだった。




「待って、ツッキーと和くん。そういう話はさぁ、別でやってくれない?」

「そうだ。今、俺ら食事中」



愛美と翔平くんが味が悪そうに言う。



「ごめん。、、陽、放課後一緒に帰ろ」



それを言い捨てた颯汰くんは何とも言えない感じだった。




「ふざけんな」



和くんの言葉はやっぱり、悲しそうだった。
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