ねぇ、泣かないでよ。
手を振って、颯汰くんに言われた昇降口より前に




図書室に向かった。






12月。とても寒くなりました。
でも、図書室の方が何倍も寒いです。



「陽ちゃん。来てくれたんだ」

「、、泣いちゃうって言うから」

「ん。陽ちゃんこなかったら泣いてた」



そういう和くんは、本棚の影に隠れて私を抱きしめた。



「暖かいね、陽ちゃんは」

「和くんは、冷たい。すごく」

「また、リハビリしていい?」



そう、少し離した距離で私の頬に手をたてる和くん。

悲しそうに笑うから、拒めなくなる。




『和には汚させない。これ以上はね。』




颯汰くんの指の感触が唇に感じたように思えた。

イケナイ事をしているようで、罪悪感がある。






「ごめん。私、」




すっと、冷たいモノが体から離れた。

2、3歩離れた和くんは私を軽蔑した目でみた。


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