ねぇ、泣かないでよ。
保健室
「陽。」
一週間ぶりに登校した学校。
でも、まだ。少しだけ怖くて。保健室で寝ていた。
4時間目終了のチャイムが鳴った時、名前を柔らかい声で呼ばれた。
「陽、お弁当、食べよ!」
「ぇ」
少しだけ体を起こした時に見えたのは
あの時の男の子だった。
「おはよう、、こんにちは?か」
「あの、なんで」
「いやぁ。陽が久々に学校来たって聞いて。お友達にお願いして、お昼の時間貰っちゃった」
いや。知らないよ。
助けてくれたことはありがたいけど。
なんでこんなこと。
「陽はさ、」
「なんで、、名前知ってるの」
「はは、あーそっか。覚えてない?」
「はぃ?」
「ソウタ。ツキシマ ソウタ。」
「月島、、颯汰」
「そう!思い出した?」
うそ。こんなの。
「ありえない」
「ね!本当、びっくり。小5ん時以来だよね。」
「なんで颯汰くんが」
「大阪から帰ってきた。」
そっか。お父さんの仕事で大阪に転校したんだっけ。
「、、、すごい、変わったね」
「そ?まぁ、身長は伸びたかな。176!」
「わぁ。すごい。」
「陽は、変わんないね」
颯汰くんが変わりすぎて
私の変化が目立たないだけだよ。
「でも、俺も変わんないや」
「いやいや、さっき変わったって」
「んー。なんつーか。俺が陽を好きなことは変わってないってこと。」
へへっと笑う彼に
言っている意味がわかりません。と苦笑いする。
「好きだよ。陽」
「ごめん、何言ってるかわかんない。」
「だから」
「あー、お腹空いた。」
「え?そうだよね!食べよ!」
なんじゃこりゃ。
こんな颯汰くんとお昼とか。耐えられない。