ねぇ、泣かないでよ。
お祖母さんのお店の少し離れたところ。
白いコートを着て、黒いマフラーをぐるぐる巻きにしながらも、顔を出す陽がいた。



「陽、」



俺の声に反応して、目を合わせて止まる。



「そ、、たくん」

「陽、久しぶり」

「ど、うしたの」

「俺、、、俺さ!」

「ごめん、、もう行かないと」




横を通り過ぎる陽の腕を少しだけ強引にとって引き寄せた。




寒いクリスマス。

陽と俺の距離は近くて遠かった。
顔に微かに感じる息と、目を見開いて俺を見つめる陽。

心臓がひどく跳ね上がった。


脈が素早いテンポで俺の意思、、理性を消していく。
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