ねぇ、泣かないでよ。
苦手なモノ
「陽ー」
愛美はいつも私を可愛らしく呼ぶ。
あー、こういう子が颯汰くんみたいな男の子と、、。
って、何考えてんだか。
「愛美、どうしたの?」
「陽はさ、」
「んー」
「陽は、颯汰くんのことどう思ってるの」
「え、、っなんで?」
「いやぁ。前にさ、颯汰くんとは小学校が同じだっただけって言ってたじゃん?」
「ん。そう、だね」
「でも!颯汰くんは陽が好き。いつも傍にいる。で、肝心の陽はどうなのかなって」
どうなのかなって、、、そんなの。
わかんない。
正直、どう思ってるのか自分でもわからない。
「あんなに真っ直ぐな男子、今どきいないよ?」
「、、颯汰くんは昔からすごい子だから」
「なら、好きにならない理由なくない?」
「あるよ。」
「え?」
「颯汰くんと私じゃ、全然違うもん」
何もかも。
颯汰くんの真っ直ぐで優しいところは好き。
昔から大好きだった。
でも、今の私にとって、信じられないモノ。
苦手なモノなんだ。