リトルガーデン~愛溢れる場所~
そしてその小さな世界にはわたしがくつろげる場所もいくつかあった。

わたしはそこを大切に思い、
子供の時は服のままで地面に座ったり寝転んだりしていた。

やがて大人になってからはきちんと敷物を敷いて飲み物を持って、ひまさえあれば座っていた。

何もしないでいてよく飽きないね、と母や父やあきひろは言うが、
わたしはほんとうに飽くことなく、大きな空を見ては、足元の苔や蟻を見て、
また空を見ると雲の位置や空の色が変わっている、というように
少しずつ変わっていく世界を眺めて、しばらくすると今度は自分の手に光が当たっているのを眺める、という感じで、
時間がどんどん過ぎていくのが怖いくらいだった。
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