硝子の花片
近藤さんが、撃たれた。

仕事から帰る途中を御陵衛士の残党に狙撃された。

…幸い、命に別状はない。



「良かったぁ…けほけほ」

近藤さんの妾さんのお家で療養させてもらっていた総司は近藤さんの無事を聞くとその細い腕で胸をなで下ろした。

総司にとって近藤さんは兄であり師匠である。

そんな大切な人までなくしてしまっていたら…と、考えては行けない。

これでいい。これでいいんだ。生きているだけで。

それが幸せで。
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