硝子の花片
元治元年5月
今の暦で言う6月梅雨


この時から、少しずつ少しずつ何かが変わっていく。

時勢に流されていく。


「…瑞奈がここにいれば何か力になれたのかな。新撰組の」


ぽそっと呟いた珍しい弱音は、誰にも聞かれることなく雨の音に掻き消えていった。






徒桜は儚く散り始める。

いつまで咲き誇るのだろうか。
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