硝子の花片
ふと沖田さんが振り向いた。

沖田さんはへへっと無邪気に笑っていた。

「おーい桜夜と総司ーっておーい?何勝手に仲良い雰囲気なっちゃってるの!?俺もいーれてー♪」

「へっ!?」

「ふわっ!?」

急に平助くんが部屋に乱入してきて私と沖田さんの間にちょこんと座った。

「珍しく早起きしてないなーって思ったらそんな良い雰囲気なっちゃってー?ねえねえ、何してたのー?」

ニヤニヤとしながら平助くんは顔を近づけてきた。

(かっ、可愛い!)←二度目である。

「悩み相談してただけですぅー!」

沖田さんは私から平助くんを引き離した。

「えー?ほんとー?…総司、顔赤いけど?笑」

「むう、今日の藤堂さんは何時にも増して意地悪ですねえ。もう知りませんっ!」

「ええー!まってよー!ごめんってば!」

朝から元気な二人を見て私も凄く元気を貰った。

「あははっ」

ついつい声を上げて笑ってしまった。沖田さんと平助くんの仲の良さがちょっと羨ましいくらいだったから。

声を上げて笑う私を見て沖田さんと平助くんも吹き出した。

「なっ、なんか笑われてますね?藤堂さんっあははっ。」

「そうだな?総司の赤面が可愛い過ぎたんじゃない?ふははっ」

「確かに可愛いですけど平助くんも可愛いさでは負けてないよっ、あははっははっ」

「可愛いって…なんか嬉しくない…」

「可愛いさではってなに!?他負けてるの!?」

私は結局2人に巻き込まれてしまった。


平助くんがいるとなんでも面白おかしくなっちゃうなぁって、私と沖田さんは思った。



私は後で知る事になる。
平助くんが気にしている沖田さんの過去を。


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