君が眠る時には
葵のことを話す美月ちゃんの顔は、まさに恋する乙女だった。
「雪ちゃんは昔のあおを知らないでしょ?無邪気な笑顔でみんなを励ましてたのも、、治療がやだくて泣きじゃくってたのも、知らないでしょ?」
知らないけど…。
「雪ちゃんはあおにふさわしくない」
確かにそう思っちゃう時もあるけど…。
「あおを好きになる資格なんて、あなたにはない」
でも…
「たまたま同じ人を好きになっただけなのに、どうしてそこまで言われなくちゃいけないの?」
「私はあおに好かれるようにたくさん努力した」
それは見てわかるよ。
肌もつやつやで、点滴してるはずなのに腕も綺麗で…。
でも、だからなに?
綺麗な人が好きな人を手に入れられるの?
一理あるかもしれないけどそれだけじゃないはず。
「雪ちゃんはひとつでも努力してきた?ちゃんとあおの気持ちをわかってる?」