君が眠る時には
葵とは喧嘩してばっかりで、強がりでついた嘘にも気づけなかった。
病は気からって言うけど、私は癒しなんて何一つ与えることなんて出来てない。
与えてもらってばかりで何も返せてない。
美月ちゃんの言う通りだ。
私に葵を好きになる資格なんてないのかもしれない。
私は、葵に似合う女の子になれてない。
なろうとしてない。
葵を取られたくないと思うばかりで、なんの努力もしてない。
努力をしようという考えさえも思い浮かばなかった。
「これで分かったでしょ?あおにふさわしいのは私なの。
会いに来てもいいけど、あおは諦めて」
葵を諦める…。
そんなのできる?
こんなに好きなのに、葵に対する恋愛感情をかき消すなんてできるのかな?
「遥くんとでも仲良くしてれば?」
美月ちゃんはそう言い放って病院の中に戻って行った。