君が眠る時には
「大丈夫!?」
しばらくして上原さんの声がした。
「上原さん…」
「もう大丈夫。1人じゃないよ」
「さっき…男の人、こわくて…」
パニックになって、何を言っているか自分でもわからない。
それでも優しく背中を擦りながら、話を聞いてくれた。
「これで懲りた?」
上原さんはたぶん呆れてるんだと思う。
私は首を横に振った。
「どうして?」
だって、私のそばには誰もいないんだもん。
怖い思いをしたからって辞めてしまえば、私は…。
「…生きていけない」
「え?」
少し驚いた顔をした上原さんに、私は全てを話した。