君が眠る時には
もどかしい
美月ちゃんが退院していくのを見届けた私。
急に心臓がどくどくとなり出した。
あー。
緊張する。
葵は美月ちゃんと付き合ってなかったみたいだし、私はいろいろと勘違いしてたみたいだし、どんな顔して葵に会えばいいの?
ためらいしかないよ……。
「すー……はー……すー……はー……」
数回深呼吸してから葵の病室に戻る決心をした。
やばい。
今までどんな感じだったっけ。
ここは勢いで頑張ろう。
──コンコン
がらっ。
ノックとほぼ同時に扉を開けた。
「お、雪。美月は帰ったのか」
「……うん」
私は備え付けの椅子に腰を下ろした。
しばらく沈黙が続く。