君が眠る時には

「ついてきて」


美月ちゃんは小走りでどこかに向かっていた。


なに?


ほんとに分からないんだけど。


着いたのは手術室の前だった。


「雪ちゃん……」


そこには遥さんがいた。


目が真っ赤で疲れた顔をしている。


「ほんっっっとにごめんなさい」


私は突然遥さんに頭を下げられた。


え?


なに?


「いやいや、あ、頭を上げてください」


そう言っても聞いてくれない。


助けを求めようと美月ちゃんの方を向いたけど、泣きそうな顔で見つめ返されるだけ。


「遥さん。とりあえず頭を上げて、説明してください」
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