君が眠る時には

神様。


お願いします。


分かってるでしょ?


私は葵がいなくちゃ生きられないよ……。


そしてゆっくりと手術室の扉が開いた。


「申し訳ありません」


なんで?


「全力を尽くしましたが……」


やだよ?


「残念です」


何が残念よ。


あなたにとって葵は大勢の中の一人に過ぎないんでしょ?


でも、私は……私たちにとって葵は……代わりのいないたった一人の人なの。


なのに、なんで?


なんで……こんな結果なの?
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