君が眠る時には
「かえしてよ……。葵を返してよ!」
お医者さんの腕にすがりついて泣き叫んだ。
葵が望んでやった事。
そう分かっていても、誰かのせいにせずにはいられなかった。
葵がもう居ないなんて信じたくなかった。
だって、昨日まで笑ってたんだよ?
私にキスしてくれたんだよ?
まだ感触思い出せるよ?
そんなすぐさっきまでそばにいたのに、もう居ないなんて、信じない。
どせあれでしょ?
ドッキリとかでしょ?
ほら。はやくネタばらししてよ。
じゃないと本当になっちゃうじゃん。
ねぇ……。
「遥さん、嘘だよね?」