君が眠る時には

「辛いのはわかるけど、死のうとしないでよ!」


「そうだよ雪ちゃん。まだ渡したいものもあるし」


「でも……もう無理だもん。私は葵がいない世界でなんて生きたくな……」


ぱんっ!!


思わず頬を抑えた。


私をビンタしたのは美月ちゃん。


「あおが精一杯生きようとしたこの世界で、雪ちゃんが頑張らなくてどうすんのよ!」


「でも……」


「でもじゃない!そんなに急いであおに会いに行こうとしないでよ!」


「美月ちゃんは葵に会いたくないの…?」


「会いたいよ!会いたいに決まってるでしょ。でもね、そんなに急がない。

私がもっといい女になって、人生を全うし終わったらあおに会いに行くよ。

それまであおは待っててくれるって信じてるから」


でも、それでも……。


「私は今すぐ葵に会いたい」


美月ちゃんは私を抱きしめた。
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