君が眠る時には

でも、これだけは伝えておいきたい。

俺さ、ずっと躊躇してた。

自分の本当の気持ちに気づいていたけど、雪に伝えられなかった。

いずれ死ぬやつから言われても迷惑なだけだろうなんて、勝手に思ったりしてさ。

本当は手紙に書くつもりもなかった。

伝えてしまったら、雪がこの先自由じゃなくなると思ったから。

でも、やっぱり伝えずに終わりたくなんてないから。

だから、ごめんな。

好きだよ。

大好きだ。

雪を抱きしめた時、抱きしめられた時、キスした時。

俺達は同じ想いだったって信じてる。

雪が大好きだった。

1番大切だった。

だから、だからこそ、本当のことは言えなかった。

自分の想いも、手術のことも、言えなかった。
< 178 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop