君が眠る時には
亀裂
葵と出会ってから数日後、私は1人で病院に向かっていた。
遥さんを誘おうかとも思ったけど、仕事もあるだろうしやめておいた。
コンコン。
「どうぞ」
その言葉を聞い終わる前にドアを開けた。
「あのなー、返事聞いてからにしろよ。着替え途中だったらどうすんだよ」
開口一番文句ですか。
はいはい。
誰が葵の裸を見てドキドキするんだ。
自意識過剰すぎるわアホ。
「別に着替えなんか見たってなんとも思いませんよーだ」
「うざ」
「せっかく来たのに、素直じゃないな~」
呆れたフリしてため息をつく。
「お前が勝手に来ただけだろ」