君が眠る時には

遥さんといい、葵といい、どうして私に援交を辞めさせたがるの?


それは私に死ねって言ってるのと同じこと。


そりゃ良くないことだってわかってる。


一応犯罪だし。


堂々と警察の前を通れる気はしない。


でもそれしか方法がないんだから仕方ないじゃない。


これを辞めてしまったら、誰がお金を援助してくれるの?


誰が抱きしめてくれるの?


誰が私を必要としてくれるの?


援交は経済的にも精神的にも、私を助けてくれてる。


それを分かってくれない人なんていらない。






この時の私は自分の心を取り繕うのに必死で、忘れていたんだ。


葵が病気だということを。


この時私は、知らなかったんだ。


葵の病気がどのようなもので、どれほど深刻なのかを。
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