君が眠る時には
夢の終わり
葵と出会ってから2ヶ月がすぎた。
蒸し暑くて何もしなくても汗がダラダラと流れ落ちる。
でも病院はクーラーがきいていて過ごしやすい。
まるで天国。
涼しさを言い訳にして、毎日のように葵に会いにいった。
葵の病状はよかったり悪かったりを繰り返していて、安心はできないけど、それでも葵の眩しい笑顔は変わらなかった。
私の世界を変えてくれた葵。
人間として好きなのか、異性として好きなのか、それは分からずにいた。
そんな不思議な感情と共に過ごす葵との日常は、なんだか楽しくて、でもいつか終わってしまうものだと思うと悲しくなる。
そんな大切な毎日が脆く儚いものだと、私は知ることになる。
今日は葵の検査結果が出る日。
私はここ3日間、葵に会えていなかった。
とてもとても重要な検査があったらしい。
気になって遥さんに聞いてみたところ、悲しそうな顔をしながら教えてくれた。
『心臓の検査だよ。結果が良ければ、外出許可がおりたり一時退院もできる。でも悪ければ…移植を受けられないかもしれない』
それを聞いた時、葵なら大丈夫だと断言した。