君が眠る時には
好き!
"今日、雪ちゃんのところに行ってもいいかな"
葵と喧嘩をして病院に行かなくなってから一週間後、遥さんからそんなにLINEがきた。
たぶん話されるのは葵のことだろう。
そう思って、"わかりました"と返信した。
伝えた時刻ぴったりにインターホンがなった。
「はい」
遥さんをリビングのソファに案内して座ってもらった。
家に人が訪ねてきたことがなかったので、何を出したらいいかなんてわからなくて、冷蔵庫に入っている麦茶をコップに移して机に置いた。
「話って、なんですか?」
早く終わらせたくて私から切り出した。
「雪ちゃんは、葵のことが嫌い?」
"雪には何も出来ないくせに!"
葵の怒鳴り声がよみがえる。
でも、その後に思い出すのは、葵の笑顔とか優しさとか。
「…ううん」
嫌いじゃない。