君が眠る時には
ライバル
いつも通り面会時間に病院に来て、いつも通り葵としゃべって、いつも通り帰るはずだったんだけど…。
「ね~、あおの部屋って相変わらずなんもないじゃーん」
葵の隣で笑っているのは私の知らない誰かさん。
この子は一体誰なの?
「てか、ほんっっとに久しぶりだよね〜」
女の子の喋り方がなんかムカつくんだけど。
語尾を伸ばして、まるで葵に媚びるような甘ったるい声で話してる。
「美月(みつき)は変わんないな」
葵も葵で私に見向きもしないし。
てか、美月ちゃんってゆーんだ。
可愛らしい名前。
「え〜、そうかな〜。てかあおが変わりすぎなんだって。
背もこんなに伸びてさー、男の子っぽくなったね」
「俺はもともと男だっつーの」
「そーだっけ?」