暴走族くんと妖精ちゃん
もちろん最初は自分にないものを持っているかっこいいお兄ちゃんとして尊敬してたけど、だんだん妬みが膨らんできた。

どうして瞬なんだ。どうして純じゃないんだ。

名前に濁点がつくかつかないかでそんなに変わってしまうものなのか。

俺を『純』として見てくれる人はいないのか。

俺は思い詰めて自殺にはしった。

・・・家の3階から飛び降りた。

そこでやっと両親は気づいたらしい。

家庭教師もトレーナーも嫌味を言ってきた人はみんなクビになった。

でも大人からの目はさらに厳しくなる一方だった。

何人もの大人をクビに追いやった恐ろしい子。近づきたくない子。

今でこそなくなったけど、そういう差別がずっと行われていた。

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