はちみつドロップス

「おーいっ。店開けるからさっさと出て来ーい」



このままでは埒が明かないのをウェイターたちはちゃんと知っている。



ベテランウェイターの眼光に促され、事務室の傍にいたウェイターは店長を無視してドアを開けてしまった。



当の店長を置いてけぼりに、特に歓迎されてるわけでもない新人がゆっくり事務室から出てくる。




「初めましてっ。高宮 天ですっ」



「っっ！？」



勢い良く頭を下げた次の瞬間、ハニーブラウンの間から見えた顔に皇楽も慶斗も思わず顔を見合わせた。



「店長っ！ アイツっっ！！」


「高宮はおんっ！」


「まぁまぁまぁ！！ いいから二人ともちょっと来て！！」



いつの間にか二人の背後へと回ってきていた店長が、そのまま口をパクつかせる皇楽たちを更衣室へと引っ張り込んだ。