はちみつドロップス
一夜明け。
昨日までのわだかまりが嘘のように、朝の教室では天と絵那が他愛ない話で笑い合っていた。
教室に入るなり飛び込んできた光景に皇楽は一瞬足を止めてしまう。
昨日までなら間違い無く一番に視線を向けていたのは絵那だろう。
しかし、
「あっ。高原おはよー」
席に歩み寄った自分にいつもと変わらないヘラッとした笑顔で挨拶する天が視界のど真ん中に居る。
今まで気付かないふりをしていた感情は今では天に向けられているワケだ。
そして。
いつもと変わらない振る舞いにちょっと安心している自分が……女々しくて滑稽に思える。
「……どうしたの? 高原くん」
「えっ……」
「急に頭振ったりしてるから。ねぇ?」
いつもと同じ天に安心している自分を振り払おうと無意識の内に首を左右に振っていたらしく、斜め前から絵那の怪訝そうな顔で見上げていた。
そんな絵那に同意を求められた天が隣の皇楽を一瞥。
ここで天がいつものように悪態をつくかと思えば、
「そうだね。……それよりさぁ」
チラリと横目に皇楽を窺った後、軽く返事しただけで話題は変えられた。
昨日までのわだかまりが嘘のように、朝の教室では天と絵那が他愛ない話で笑い合っていた。
教室に入るなり飛び込んできた光景に皇楽は一瞬足を止めてしまう。
昨日までなら間違い無く一番に視線を向けていたのは絵那だろう。
しかし、
「あっ。高原おはよー」
席に歩み寄った自分にいつもと変わらないヘラッとした笑顔で挨拶する天が視界のど真ん中に居る。
今まで気付かないふりをしていた感情は今では天に向けられているワケだ。
そして。
いつもと変わらない振る舞いにちょっと安心している自分が……女々しくて滑稽に思える。
「……どうしたの? 高原くん」
「えっ……」
「急に頭振ったりしてるから。ねぇ?」
いつもと同じ天に安心している自分を振り払おうと無意識の内に首を左右に振っていたらしく、斜め前から絵那の怪訝そうな顔で見上げていた。
そんな絵那に同意を求められた天が隣の皇楽を一瞥。
ここで天がいつものように悪態をつくかと思えば、
「そうだね。……それよりさぁ」
チラリと横目に皇楽を窺った後、軽く返事しただけで話題は変えられた。