はちみつドロップス
ライバル宣言に隠された真実
「ライバル宣言っ!?」
涼希がカフェ バタフライに現れて約一日。
昼休みの教室で椅子を寄せ合って座るいつもの面々プラス藍楽マイナス天。
頼まれても無いのに事情説明を買って出た慶斗に絵那と藍楽がほぼ同時に驚きの声を上げれば、
「ライバルじゃねぇよ。一方的な宣戦布告だろっ」
はた迷惑なヤツ。
舌打ち混じりに呟きながら皇楽の眉間には極太のシワが浮き上がる。
「でも、皇兄が天さんのこと好きなのを知ってて言ってきたんでしょ? その人」
「好きじゃねぇし」
「しつこいなぁ皇楽。いい加減潔く認めろって」
こう言って三人揃って呆れ顔を浮かべようが、皇楽は知らん顔決め込んでそっぽを向いてしまう。
「そんな風にしてたらホントに天のこと取られちゃうよ?」
「関係ない」
溜め息混じりに呟いた絵那の問いかけも速答で打ち切り。
このやたらに自分と天をくっつけたがるお節介な空気に、居心地悪そうに顔をしかめた皇楽がのっそりと席から立ち上がる。