はちみつドロップス

まだ何か言いたげに皇楽の表情を窺っている涼希を一瞬睨み付ける。



それを見た涼希が見せるのはまさに勝ち誇った笑顔。



微妙な距離を保ったままの二人に気まずい空気が流れる。



その瞬間、



「うるさーい! ちっちゃい子の前でグチグチ言ってんじゃないっ!



さっきまで腕組みをして立ちはだかっていた涼希が前によろめいた。



「人の弱みにつけこんでんじゃないのっ!」



勢いのある怒声と共に現れたのは、どこで見ていたのか仁王立ちで涼希に噛み付く天の姿だった。



背中にもろに衝撃を食らった涼希の驚いた表情と、同じ顔で呆然としてる皇楽と朗楽が天を見つめている。



「アンタなんかにねぇ高原をバカにする資格無いからっ!」



腰に当てた右手を真っ直ぐに涼希の目の前に伸ばした天が声高に言い放つ。



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