はちみつドロップス
一世一代の大告白ッ
「……で? なんでますます懐いてるワケ?」
休み明けの学校はヤケに気だるい。
いくら気だるいにしても今日の皇楽の仏頂面はいつもの比じゃなかった。
いつものメンツに藍楽が加わって、飽きもせずに自分たちを茶化すことにも慣れてきたっていうのに、
「そりゃあ~あんな激しい跳び蹴り貰っちゃったから。ねぇ? 天さんっ」
そこに一人加わるだけでこんなにもイライラが増幅するものなのか……。
わざわざ天の真横に座り、天にピッタリと貼り付く涼希が相変わらず爽やかに笑っている。
向かいに座った藍楽と絵那は、跳び蹴りからビンビンはじまった涼希の天への感情に不可解そうに眉を顰めている。
「なんで跳び蹴り食らって懐くワケ?」
「愛のある跳び蹴りだからっ。ねっ?」
藍楽と絵那の質問にも余裕の爽やかスマイルで涼希は答えていく。
それに呆れながらも言い返す元気すら天には出て来ない。
「何それっ。SMプレイ? DV?」
「愛のムチです」
呆れて物も言えない天は疲れた顔で何度目かの溜め息をつく。
そんな女子たちプラス涼希を珍しく黙って見つめていた慶斗が、何も言わずにその場から立ち上がった。