はちみつドロップス
涼希との会話に夢中になる女子(天を除く)に気付かれることなく慶斗が席を立つ。
そのまま真っ直ぐに慶斗が向かった先。
「マジ惚れしちゃったなぁ涼希のヤツ。跳び蹴りされて惚れたって……ドMか?」
廊下の窓から外を見つめていた皇楽をワザとらしくけしかける。
自分が少し席を外した隙にバッチリ天の隣を涼希に取られて仕方なく避難してたのに……思わぬとばっちりだ。
そんな慶斗をうざったそうに無視して目を逸らすも、
「どうすんだよ?」
「……なにが」
「お前と違って愛情表現がストレートだしなぁ。涼希は」
更に更に追い討ちをかけて皇楽を追い詰めていく。
「……うっせぇ」
居心地悪そうに小さな舌打ちした皇楽はそのままフラッとどこかへ消えていってしまった。