はちみつドロップス
「嘘。嬉しいっ!」
こう言って笑ってみせる天の頬がほのかに赤い。
それを見て高鳴る鼓動はは紛れも無く目の前の天に向けられたモノ。
そして自覚する。
勢い任せに言った告白すら笑って受け入れてくれるこの娘が……やっぱり自分は好きだということ。
「……天」
「えっ? あっ……」
初めて呼ばれた名前と共に額にふわりと唇が寄せられる。
数秒間のうちに額からじわじわと広がる熱が顔中を真っ赤に染めた。
真っ赤な顔と今までに無いくらいの激しいドキドキで皇楽を見上げれば、
「……言うなよ。誰にも」
「……えっ?」
思いがけない一言に思わず天はポカンと首を傾げた。
「慶斗も花井も藍楽にも……とにかく誰にも言うな」
ぷいっと顔を逸らした皇楽のほんのり染まった頬を見つめながら天は頷く。
お互いが想い合っていれば良い。
今はとにかく、この幸せの余韻に浸っていたかった。