はちみつドロップス
「なぁ……」
「なにぃ?」
館内にある日当たりの良い広場に座り、三人が少し早めの昼食を取る。
皇楽が作った相変わらず味の良い弁当を満足そうにたいらげた天に声を掛ける。
少し離れた所では、同じ年頃の子どもに紛れて触れ合いコーナーで亀を触る朗楽がこちらに手を振っていた。
それに笑顔で手を振り返す天を皇楽はやっぱり堅い表情で見つめている。
「……嫌じゃないのか?」
「えっ? 何が?」
問い掛けられた言葉に怪訝そうに振り向けば、真剣に自分を見つめる皇楽が隣に並んで座っていた。
「初めてなのに……朗楽連れて来たりして」
「あぁ、そんなことか」
「そんなことって」
真剣に悩んで切り出した言葉を軽く笑い飛ばされ、思わず本日二度目の眉間のシワが皇楽に浮き上がる。
それを見た天は視線をそのまま触れ合いコーナーに居る朗楽に戻した。
「今まで付き合ってた人ならどうしてた? 今日みたいな状況」
「……キャンセルしてた」
的を得ない質問に前を向いたままの天の瞳を皇楽がじっと見つめる。