はちみつドロップス
「天! 一緒に亀に餌やりろうっ!」
「うんっ! 行く行くっ」
いつの間にか駆け寄ってきた朗楽が楽しそうに天の腕を引っ張る。
それに頷いて立ち上がり、一歩前を走る朗楽を追いかけようとしたとき、
「ねぇっ。皇楽」
「……んっ? 餌か?」
「わたしもっ。好きになって良かったっ。へへっ」
立ち止まって振り返った天はゆっくりと立ち上がった皇楽に、にっと笑って走っていく。
「……中学生かよっ」
それを見て赤らんだ頬に自分で自分にツッコんでしまう。
口元を押さえ、自嘲気味に小さく呟いた皇楽はゆっくりと二人を追って歩き出した。