はちみつドロップス
潔く、オトコらしく

次の日。


「今日は機嫌良さそうだな。高宮」


「……知らねぇ」



絵那と新作のお菓子片手に盛り上がる天を見て慶斗が爽やかに笑う。


それを鬱陶しそうに交わしながらも、どこか皇楽の表情に安堵の色が見え隠れしているのも事実。



「あとは……皇楽がみんなの前で認めれば全部解決なのになぁ」


「はぁ?」



わざわざ皇楽の眉間にシワを作らせたがる慶斗に、思惑通りまんまと皇楽がシワを寄せた。



更にはそこに追い討ちをかける人影が急ぎ足で走り寄ってくる。



「高原先輩っ!」



相変わらずの甲高い声で呼ばれた皇楽は、思わず真っ先に隣の天の顔色を窺ってしまう。



二人の視線が重なったのも束の間。



「今日の放課後こそ教えてくださいよ?」



皇楽と天の間にわざとらしく分け入った椎菜に隠され、天の表情はすぐに見えなくなってしまう。



「何の話だよっ」


「えーっ。約束したじゃないですか。チーズケーキの作り方教えてくれるって」



皇楽の顔が見えなくなった瞬間、椎菜から発せられた言葉に思わず天は両目を見開いた。



「レシピだって渡しておいたのに~」


「あれは無理矢理渡して来ただけだろっ」



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