はちみつドロップス
静かに閉ざした瞼の裏で、夕暮れの廊下で涼姫が笑っていた。



慌てて瞼を開いて使い古された枕を、じっと見つめる。


また、ゆっくり瞼をとじればやっぱり、浮かぶのは使い古された枕でなく、雄楽を見つめる涼姫の顔だった。



「……マジか、俺」



ベッドから勢い良く起き上がった涼希は、窓ガラスに映る自分に小さく問い掛けた。
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