はちみつドロップス
藍楽の反応を特に気に留めるでも無く、修護は静かに口を開いた。



「椎菜が好きだって言ってるのは……」


「わたしの上のお兄ちゃんだよ。三年の高原 皇楽」



「わかった。椎菜が迷惑を掛けたこと、お詫びに行ってくる」



「えっ!?」




修護のとんでも発言に面食らう藍楽に構わず、メガネの端をくいっと上げた修護はさっさと三年の教室の方へと歩いて行ってしまう。



さすが椎菜の保護者……なんて感心していたのも束の間。



「ちょっと、椎菜! 城戸くんが大変だよっ」



このまま修護単品を皇楽たちの所へ向かわせても、きっと余計にややこしくなるだけ。



それに、……面白そうだし。



「行くよ、椎菜!」



修護を止めるという名目上で藍楽は椎菜の腕を半ば強引に引っ張り、早足で三年の教室へと向かった。
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