はちみつドロップス
「…………」
お昼を食べ終え、そのままいつものようにダラダラと他愛ない会話をしていた皇楽、天、慶斗、絵那の四人。
失礼します、と突然現れた見覚えの無い賢そうな一年坊主に四人はチラチラと視線で尋ね合う。
誰か知り合いか?
違う違う……。
視線で小さく否定し合っていれば、
「高原先輩」
張本人が名前を呼ばれ、視線は一気に皇楽に集まった。
呼ばれた皇楽は、心当たりが無い。
眉間にシワを寄せ、訝しそうに修護を椅子から見上げていると、
「一年の城戸 修護と言います。椎菜の幼なじみです」
「あっ、椎菜の……」
それを聞いてなるほどと納得してるのは、せいぜい天一人くらいである。
椎菜と聞けば散々、皇楽と天の間を引っ掻き回した問題児。
能天気にも納得している天に、三人は思わずため息を漏らした。
「……で、椎菜の幼なじみが皇楽に何の用事?」
椎菜の幼なじみにしては真面目そうな印象の彼に、慶斗はさっさと本題に入れと修護を促す。
言われるままに修護は皇楽に視線を戻し、ゆっくりと口を開いた。