はちみつドロップス
キッパリと言い切る椎菜の唇が小さく震えた。


それを見つめながら、修護は言葉を続けていく。




「そう言われてしまったら、俺は椎菜の傍に居る理由が見つけられない」



「何言って……」



「幼なじみとか、保護者代わりなんてもっともらしいこと言っても結局は俺の一方的な感情だ」



大切なことを言っているってわかってるのに、なんでこんなにも修護の態度はいつも通りなんだろうか……。



いつも通りの、無表情と淡々とした口調。
椎菜は焦れったそうに修護を見上げていた。



「この一方通行を無くす方法を色々考えたけど、一つしか浮かばなかった」


「……なに?」


「気持ちを正直に伝えて受け入れてもらうこと。つまり……俺は椎菜が好きです。傍に居させてくれませんか?」



ずっと変わらなかった修護の表情が柔らかくなり、甘い匂いのする手のひらが垣根の上から伸ばされた。



「……何なの、その告白。堅いし、クサすぎっ」



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