はちみつドロップス
チーズケーキの入った紙袋が大きく揺れる。
その瞬間、垣根がガサッと音を立てて、椎菜の体がふわっと浮いた。



「この垣根が無ければいつでも椎菜に会えるって、ずっと思ってた」



ずっと守ってくれていた幼なじみは、気付けば自分を軽々と抱き上げてしまう程に逞しくなっていた。



「……正面から入ってくれば良いじゃない」


何年かぶりに肌で感じる体温に、照れ隠しで皮肉を吐けば、


「……正面から行ったりしたら、こんなこと出来ないだろ」



その口にちゅっと甘い感触。
メガネの奥の瞳に、吸い込まれそうなくらい見つめられている。



「エロ優等生」


赤らんだ頬で小さく唇を尖らせた椎菜に、修護は眉を顰めた。



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