はちみつドロップス
「このタオル、もしかしておまえのか?」
畳み終えたタオルの塊を抱えた皇楽が、お風呂上がりにストレッチをしていた雄楽に一枚のハンドタオルを差し出した。
淡いピンク地にきりんの絵がプリントされたタオル。
まず思い当たるのは藍楽だが、そうじゃないことは確認済み。
朗楽に至っては皇楽自身が身の回りのモノを揃えているので違うことは一目見てわかった。
だから消去法で雄楽に聞いてみたワケだが……。
「俺の」
「……借り物か?」
「だから俺のだって」
ストレッチしていた手を止めてタオルに手を伸ばす雄楽に思わず怪訝な顔を浮かべた。
雄楽のタオルといえばスポーツ用品のメーカーのロゴの入ったスポーツタオルがほとんどで、ハンドタオル自体が珍しい。
加えてピンクにきりんの模様。
皇楽で無くても首を傾げたくなる。