はちみつドロップス

「差し入れか」


「……そんなんじゃ」


元サッカー部の経験からか。
一番納得のいく理由を口にしてみれば、雄楽は口ごもりながら否定した。


「まあ、どうでもいいけど。後のも置いとくぞ」


これ以上問い詰める理由も無いので、塊の一番上にあった見慣れたスポーツタオルを雄楽の傍らに置いた。


残りの塊を抱えて出て行く背中にお礼を告げ、雄楽は手の中のハンドタオルを見つめる。


雄楽は差し入れを受け取るような性格ではない。


それでもこうして自分には不似合いなハンドタオルを持っている理由。


それは先週の練習試合の後の出来事にあった。



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