はちみつドロップス
「どうして認めないんですかっ?」
「認めるも何も……わたしが高原を好きなんて有り得無いし気持ち悪いから……」
羽振りの良かった口調はみるみるうちに弱まり、高い身長を縮こまらせる天の姿は弱気の塊になっていた。
机にうつ伏せて見上げる皇楽の横顔に感じる高鳴りも、
皇楽と交わす憎まれ口さえ楽しい気持ちも、
可愛いくて女の子らしい親友を見つめる視線を盗み見る瞬間も、
どんなに自分は想っていても、皇楽にとっては恋愛対象として有り得ない。
恋愛対象として見るには気持ち悪いただのデカイ隣人でしかないのだ。
「良いじゃないっ! 皇兄が好きでもっ」
「好きじゃないって」
「天さんっ!」
頑として譲らない天に藍楽はもどかしそうに眉を顰めた。