はちみつドロップス
食卓に並べられた、ソース、付け合わせ、スープ、サラダを皇楽が作った天たちの手作りハンバーグに、
「美味しい~っ!」
誰よりも早く箸を進めていく天が満足そうに顔を緩めた。
美味しそうにパクパクとハンバーグに口をつけていく天は、
「高原アンタすごいねっ!」
正面に座った皇楽にゆるゆるに緩んだ無防備な笑顔を向けている。
それを見つめながら皇楽の胸がほんの少しだけ、トクンと鼓動した気がした。
自分がひたすら隠してきた主婦姿。
歴代の彼女たちに打ち明けることの出来なかった自分を、アッサリと受け入れとすごいと言う女の子は、
例え恋愛対象外だと言い放った相手とは言え、新鮮で悪い気がしないのは確かだった。
「良かったねぇ? 皇兄」
声を弾ませる藍楽の言葉に、
「……相手がアイツじゃなぁ」
溜め息をつきながら呟く兄は妹をひどく苛つかせた。
「ねぇ皇兄? 小さくて女の子らしい性格ブスと背が高くて性格の良い人、どっちがいい?」
「小さくて女の子らしい性格の良い人」
「もう! この罰当たり!」
即答する兄に怒りを越して呆れた藍楽は深い溜め息をついていた。