はちみつドロップス
「でも、天さんと居るときの皇兄は素のままだよ」
「……人のことバンバン叩いてくるんだけど」
「あははっ。皇兄ってばSっ気があるからさ」
天さんMだから丁度良いじゃない! お似合いだよ!
続けながら笑う藍楽に天は思わず苦笑いを漏らした。
SとMに例えられながらも“お似合い”という言葉に、ちょっと喜んでしまう自分はホンモノのMなのではないか……。
そんなくだらない考えを振り払うように首を左右に振った後、止まっていたスポンジを再び動かし始めた。
手に取ったのは天の作ったハートハンバーグの乗せられていた皿。
それをスポンジで擦りながら自分の作ったハートハンバーグを皇楽が食べ切ったことを思い出して顔を綻ばせるのだった。