はちみつドロップス
「それでも、言っていいことと悪いことがあるのっ!」
「天ちゃんの顔、悲しそうだった」
まるで反省の色が見えない皇楽に藍楽はさっきから憤りっぱなしだ。
それを宥めつつも聖梨が天の表情が暗かったことをさりげなく指摘する。
皇楽本人としてはいつもの軽口でしかなかっただけに、この責められまくりの空気に怪訝そうにするばかりだ。
「見てこいよ。おまえの責任」
珍しく真面目な顔で背中を押す慶斗に促され、
「…………はぁ」
さすがの皇楽も気まずげに前髪を掻き上げ、溜め息混じりに天の居る店の裏へと足を進めた。