はちみつドロップス
「二人ってホント仲良いよね」
笑顔の絵那が発した言葉に皇楽は頭の中から一気に石化した。
二人ともに含まれるのはもちろん天と自分。
このデリカシーの無いハニーブラウンと仲良しの枠に入れられるのは心外である。
皇楽の心としては、
キミともっと仲良くなりたいんだけど。
みたいな感じだ。
慌てて否定しようとした皇楽より早く、
「仲良くないって! 高原なんか~」
眉を顰めた天が否定を口にしたから腹が立つ。
おまえが言うなよ!
って、頭を小突いてやりたい衝動を絵那の微笑みで必死に抑える。
「それより。高宮は職員室行かなきゃマズくない? 授業始まるぞ」
いつの間にか皇楽の席までやってきていた慶斗に促され、天は肩を落として教室の出口へと向かっていく。
「天。わたしも付き添うよっ」
「絵那っ!」
意気消沈の天の隣に駆け寄った絵那に天が勢い良くハグ。
天と共に去っていく絵那の背中を見つめながら皇楽はため息を漏らした。