はちみつドロップス
何の気無しに見上げていた空にはまばらに星が輝いている。
胸にモヤモヤを残したままそこから目を離せば、
「あっ。高原くん」
不意に背後から聞こえた可愛らしい声が自分を呼んだ。
「花井」
自分を見上げてにっこり笑う絵那は夜空の下でもやっぱり可愛い。
「バイト?」
頷いた自分に“お疲れ様”なんて言ってはにかむ絵那の笑顔が頭の中に広がっていく。
お使いの帰りだと言う絵那に、
「家まで送る」
申し出た皇楽に絵那は嬉しそうに頷いてみせた。
目の前に現れた絵那を見ているとさっきまでの胸のモヤモヤなんて綺麗さっぱり無くなっていく。
やっぱり巨女は有り得ない。
恋愛対象どストライクの絵那を前に皇楽は改めてそう感じていた。