はちみつドロップス
ギクシャク

二人が連れ立って教室に戻ってきたのは、授業の既に終わった休み時間のことだった。



「天……」



一緒に戻ってきた二人を絵那は席から立ち上がって怪訝そうに見上げていた。



「おまえが授業中にトイレに行くとか珍しいと思ったら……高宮迎えに行ってたんだな」



含みのある笑顔を浮かべた慶斗が三人の方へと歩み寄ってくる。



慶斗の言葉に天は嬉しさでニヤける顔を必死に誤魔化しながら斜め前の皇楽を見つめた。



「……そうだったんだ」



それを聞いた絵那の顔が徐々に曇っていく。



それを誰よりも早く察したのはいつも絵那を見ている皇楽だった。



「花井が心配そうにしてたから」


「そうなの……?」



慌てて弁解する皇楽に絵那の曇っていた表情はほのかに赤らんでいく。



頷く皇楽と見つめ合うその姿はまさに二人の世界。



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