はちみつドロップス

「すみませーん!! 遅くなりましたっ!!」



荷物を肩に掛け、朗楽を抱えたまま玄関に向かう皇楽と月先生の前に、



「あらぁ」



息を切らせた藍楽とバカでかいスポーツバッグを大きく揺らした雄楽が飛び込んで来た。



「おまえら……」



「良かった……兄貴、来てたのか」



朗楽を抱いて現れた皇楽に安心したように笑いかける雄楽に、



「朗楽っ! ごめんねっ? 寂しかったよねぇ……」


半泣きになりながら皇楽の腕から朗楽を引き取り抱きしめる藍楽が居た。



「朗楽くんは優しいお兄ちゃんお姉ちゃんがいっぱい居るね」



月先生の言葉に頷いた朗楽の顔には、にっこりと満面の笑みが浮かべられていた。



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