はちみつドロップス
次の日の朝一番。
「昨日ごめん」
玄関で待っていた絵那に皇楽は挨拶より先に頭を下げた。
「ううん。お家の急用だったんでしょ? 連絡出来ないくらい慌ててたからって天が」
絵那のにこやかな微笑みにもう一度謝り、皇楽は駆け足で教室を目指した。
「おはよー高原」
教室の入り口前で登校したばかりの天と出くわす。
ヘラヘラと笑う天の腕を無言で引っ張り、
「ちょっと高原!」
半ば強引に連れてきたのは、朝の登校ラッシュでも人気の少ない校舎裏の中庭だった。
突然のことで目を丸くしている天に、
「昨日……花井に連絡してくれたんだってな。一瞬バラされたかと思った」
足を止めた皇楽がそのまま話を切り出した。